ガーデニング用・家庭菜園用肥料PRODUCTS

自宅で家庭菜園やお花を育てている人なら(または興味のない人でも)、一度は聞いたことのあると思われる「肥料」。
みなさん、肥料についてどれくらいご存知でしょうか?

「よく知らないけど、種を播く時にとりあえず肥料も撒いているよ!」
「ホームセンターに買いに行くとたくさん種類があるけど、どれも結局似たような効果なんじゃないの?」
なんて方が意外と多いのではないでしょうか?

ここでは、知っているようで聞かれるとうまく説明できない「肥料」について、
使用するメリットや含まれている成分を中心にご紹介していきます!
 

目次
▼1.肥料を使うメリット
 ・そもそも肥料って何?
 ・肥料を使うとどんな良いことがあるの?
▼2.肥料の成分について
 ・植物に必要な栄養素とは?
 ・多量要素と微量要素
 ・肥料の3要素の働き
 ・肥料の5要素、カルシウムとマグネシウムの働き
▼3.肥料の適正量
 ・1回でどれぐらい撒いていいの?
 ・使用量はきちんと守って!
▼4.おまけ話
 ・肥料のパッケージに書いてある数字は何?

1.肥料を使うメリットについて



 
【そもそも肥料って何?】

そもそも肥料が何かを考える前に、昔理科の授業で習った、植物が栄養を摂取する仕組みを思い出してみましょう。

人間や動物が日々の食事から栄養を摂取して成長していくのに対し、植物は光合成を行い自力で炭水化物やたんぱく質などを作って成長していきます。そして植物は自分の体を作るために、根を使って土の中にある必要な栄養を吸収しています。

基本的に、植物が体を作るために必要とする栄養はほとんど決まっていて、栽培を重ねるごとに土の中の栄養素は減ってしまいます。
自然界では枯葉や虫の死骸、動物の排泄物等が腐ることで、土に栄養が補給されて、また植物が育つというサイクルが成り立っています。

しかし、プランターやよく手入れのされたお庭等では、このサイクルは成り立ちません。
そこで、人工的に「土の中で足りなくなってしまった、植物の生長に必要な栄養成分を補給する」必要があります。

この役割を果たすのが肥料なのです。
簡単に言うと、土にとってのサプリメントと思っていただけると、分かりやすいかもしれません。
 
【肥料を使うとどんな良いことがあるの?】

植物が生長するために必要な成分は、酸素、水素、炭素など空気中にある身近なものも含めて16種類あります。

この16成分をバランスよく摂取することで、病気に強く、立派な植物として生長することができます。
どれか一つでも不足してしまうと、病害虫に弱かったり、大きく育たなかったり、途中で枯れてしまうなんてことになってしまいます。

16成分の内、酸素は呼吸で、炭素は二酸化炭素として光合成で空気中から取り込めますし、水素は水さえあれば根から吸収できますので補給の心配がいらないのですが、そのほかの成分は土の中にあるものを根から吸収しているため、キチンと補給してあげなければ何回も栽培していくうちに足りなくなってしまいます。

肥料を使うメリットは、この足りなくなってしまう元素を「簡単に補給することができ、手軽に野菜や植物が育つ環境に整えられる」ことです。

2. 肥料の成分について



 
【植物に必要な栄養素とは?】

野菜を含め、植物が生長するために必要な栄養素が何か、ご存知ですか?
植物が生長するためには、「酸素」「水素」「炭素」「窒素」「リン酸」「カリウム」「カルシウム」「マグネシウム」
「硫黄」「マンガン」「ホウ素」「鉄」「銅」「亜鉛」「塩素」「モリブデン」の16種類が必要です。
 
【多量要素と微量要素】

16ある栄養素の中でも、特に植物が多量に必要とし、しかも不足しやすいものを多量要素といいます。
多量要素のなかでも「窒素」、「リン酸」、「カリウム」を「肥料の3要素」といい、これに「カルシウム」、「マグネシウム」をプラスしたものを「肥料の5要素」と言います。
 
残りの「硫黄」、「マンガン」、「ホウ素」、「鉄」、「銅」、「亜鉛」、「塩素」、「モリブデン」はそれほど多くの量を必要としないので、微量要素と呼ばれています。肥料としてより、活力剤として売られていることが多いようです。
 
多量要素が足りないと植物の元気な生長は厳しいのですが、微量要素が足りなくても植物がうまく育たなかったり、病害虫に弱くなったりしてしまいます。
 
【肥料の3要素の働き】

さて、先程少し紹介した肥料の3要素。これを読んでくださっている方の中には、「実肥」、「葉肥」、「根肥」という言葉の方が聞きなれているという方もいらっしゃるかもしれません。まずは「実肥」、「葉肥」、「根肥」について説明させて頂きます。
 
  • 実肥(花肥)
リン酸は、実や花の付きに大きく関係することから、実肥・花肥とも呼ばれています。
また、実や花の他に、根の生育にも大きく関わっています。
不足してしまうと、花数が減ったり実の質が落ちてしまいます。
トマトやナスなど、実を食べる野菜を育てるときに、不足しないように注意してほしい要素です。
 
  • 葉肥
窒素は養分の吸収や光合成を促進させるため、植物を大きく生長させるのに欠かせない要素です。
なかでも葉や茎の生長に関わることから葉肥と呼ばれています。
大きく生長させるために欠かせない要素ではあるものの、与えすぎてしまうと茎や葉が細く間延びしたようになり、病害虫にも弱くなってしまうので注意が必要です。
窒素は空気中に含まれる最も多い成分ですが、酸素や炭素と違い、植物は空気から直接利用することは出来ません。
そのため、肥料として与えてあげる必要があるのです。
 
  • 根肥
カリウムは根だけでなく、植物全体を丈夫にしたり、暑さや寒さ、病害虫への抵抗力をつけるのに大きく関わっています。
不足してしまうと、植物が軟弱に育ってしまうので注意が必要です。
 
【肥料の5要素、カルシウムとマグネシウムの働き】

植物が丈夫に生長するために欠かせないことが分かった肥料の3要素。
「肥料の5要素」と言われる「カルシウム」、「マグネシウム」は、どのように植物の生長に関わっているのでしょう。
  • カルシウム
植物の細胞と細胞をしっかりと結びつける、いわば植物の体を丈夫に作るためには欠かせないのがカルシウムです。
その他にも、カルシウムはアルカリ性のため、酸性の土を中和させる働きもあります。
 
  • マグネシウム
植物が光合成をするときに必要な、葉緑素を構成するために欠かせない成分であるマグネシウム。
葉色を濃くしたり、植物内での糖分生成にも役立ちます。
 
【微量要素の働き】

植物の体づくりに大きく関わる肥料の5要素。
これだけあれば、植物がしっかりと育ちそうなだけに、微量要素の働きが気になりますよね。
微量要素は8つの種類があり、どれも植物の質を高める役割があります。
  • 硫黄
硫黄と聞くと独特の臭いが浮かんでしまいますが、植物にとっては植物の体を構成するタンパク質の成分の一つです。
ニンニクや辛子などの香り成分に含まれています。
通常は、土に十分含まれているため、肥料として補給を気にする必要はあまりありません。
 
  • マンガン
炭水化物や有機酸、窒素など、代謝にかかわる酵素に含まれています。
葉緑素のほかに、ビタミン類の合成にも必要な成分です。
また、光合成をおこなうときに二酸化炭素を吸収するためにも必要不可欠です。
 
  • ホウ素
主に植物の細胞壁を構成する成分で、根や新芽の生育を促進するほか、細胞分裂や受粉に係る成分です。特に、アブラナ科野菜などでは必要なホウ素の量より、土壌に自然に含まれるホウ素の量が少ないため、微量要素の中では比較的欠乏しやすい成分です。
 
人間にとっても欠かせない鉄ですが、植物にとっては葉緑素の生成を助ける大切な成分です。
また、代謝や呼吸に係る酵素の構成成分でもあります。
必要量は極わずかですが、健全な生育には必要不可欠な重要な成分です。
 
葉緑素の形成に間接的に関わり、炭水化物、タンパク質の代謝に重要な働きをします。
酸化還元酵素の成分として、呼吸作用に関わっています。
 
  • 亜鉛
タンパク質やでんぷん、酸化還元酵素の合成に関わる成分です。
通常、植物の生育に必要な亜鉛は土壌中に十分に含まれているため欠乏症が出ることは少なく、補給が必要なのは特殊な地域や作物に限られるといえます。
 
  • 塩素
各種炭水化物の合成や光合成に関わります。
植物の生長に必要であることが確認されたのは、比較的最近で、トマトの水耕栽培試験にて確認されました。
繊維化作用が良くなり、病気への抵抗性が高まります。
 
  • モリブデン
各種タンパク質の合成に関わる成分です。
その他にも、根りゅう菌(空気中の窒素を植物に供給することができる共生菌)の生育を助ける働きもあります。
 
ちなみに、微量要素は不足してしまうと生育不良になってしまいますが、多すぎてもほかの成分の吸収を邪魔したり、変色したりするなど発育不良を起こすことがあります。
 

3.肥料の適正量



 
【1回でどれぐらい撒いていいの?】

肥料の適正量ですが、育てたい植物によって異なることがほとんどです。
買ってきた肥料のパッケージを見ると、使用量の目安が書かれていると思います。
この使用量の目安を守って与えるようにしてください。

肥料に含まれている成分=植物の生長に必要な成分であるため、「たくさんあげたら大きく育つ?」と考えた方も、いらっしゃるかもしれません。 ところが、この使用量を守らないと、植物が変色してしまったり、大きく育たなかったり、最悪の場合枯れてしまうこともあるのです。
 
【使用量はきちんと守って!】

大切な植物が、良いと思って撒いた肥料によってうまく育たなかったら悲しいですよね。
そんな事態を防ぐために、ぜひ、肥料を購入したらパッケージをよく確認して使用量を守るようにしてください。
肥料のパッケージには撒いて良い量と撒くタイミングが書かれています。
これに従えば、「大切な植物が…!」なんてこともないはずです。
(もちろん、水やりや雑草を抜く等、定期的に愛情込めて手入れをしてあげてくださいね!)

 

4.おまけ話



 
【肥料のパッケージに書いてある数字は何?】

肥料のパッケージを見ると、アルファベットと数字がそれぞれ3つずつ”N-P-K 6-6-6”のように並んでいると思います。
このN-P-Kは、N=窒素、P=リン酸、K=カリを表しており、それぞれが全体の重量の内何%含まれているかを表しています。

つまり、先程の”N-P-K 6-6-6”の場合は、窒素が6%、リン酸が6%、カリが6%含まれているという意味です。
肥料を使用する際に、この成分量を考えながら計算ができると、より植物にとってベストな土壌環境を作ることができると思います。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!