農業用肥料PRODUCTS



あ行

秋落ち水田アキオチスイデン
収穫間際になって、急激に水稲の下葉が枯れ上がり、穂も成長せず収量が少なくなるという現象が起こる水田のこと。
硫化水素の発生により水稲根に障害を起こすことが原因です。遊離酸化鉄の溶脱が進んだ老朽化水田で起こります。
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油かすアブラカス
ダイズ、ナタネなどの種子から油をとったあとの「かす」で、施設園芸などでよく利用されており、歴史的にも昔からよく利用されている良質な有機肥料のひとつです。大豆油かす粉末、菜種油かす粉末、米ぬか油かす粉末等はそれぞれ普通肥料に該当します。
成分 : 窒素4~7%、りん酸1~3%、加里1~2%
アルカリ分アルカリブン
肥料法における保証成分で、石灰質肥料などの肥料中に含まれる可溶性石灰の量、または可溶性石灰と可溶性苦土の量を、酸化カルシウムに換算した量のこと。日本の土壌は酸性の火山灰土壌が多く、酸性土壌のpH矯正の際の目安にもなります。アルカリ分が高いほど、酸性矯正能が高いです。
ウレアホルム/ホルムアルデヒド加工尿素肥料ウレアホルム/ホルムアルデヒドカコウニョウソヒリョウ
緩効性肥料のひとつで、分解性の速い尿素をホルムアルデヒドと縮合反応させることにより緩効度を高めた肥料です。
土壌中では主として微生物によって縮合した尿素が分解され、アンモニアや硝酸といった無機態窒素となって作物に利用されます。
成分 : 公定規格では、窒素全量35%以上、内、水溶性窒素50%以上、尿素態窒素20%以下
液肥エキヒ
粉末や粒状などの固体肥料でも、施用する時に水に溶かして液体にしたものは液肥に含まれます。
速効性で追肥に適しており、土壌潅注、土壌園芸の湛水、水田流し込み、葉面散布などに使われます。
物体散布や土壌灌注をはじめ、施設園芸の灌水、水田流し込みなど、多くの栽培法に用いられています。
吸収性がよく、適時に適量だけ施すことができるため、過剰施肥による河川や地下水の水質汚染を防ぐ効果があります。
速効性で追肥として使われる一方で、効果のある期間は 10~14日と短いために肥料切れを起こしやすいという面があります。
市販されている液肥は、肥料の品質の確保等に関する法律に基づいて液状肥料、液体けい酸加里肥料などに分類されます。
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FBMエフビーエム
朝日アグリアが開発した微量要素肥料で、熔成微量要素複合肥料で登録されています。
マンガン、ほう素が主成分の肥料です。各成分は非水溶性で根の有機酸に溶解して吸収されるく溶性なので流亡が少なく、またほう素などの過剰症も出にくいので微量要素肥料として利用しやすく、複合肥料の原料に多く使用されています。
成分 : く溶性マンガン20%、く溶性ほう素10%の他、く溶性苦土8%
塩化アンモニア(塩安)エンカアンモニア(エンアン)
普通肥料のひとつ。
代表的な速効性の窒素肥料のひとつで、生理的酸性の肥料です。白色、無臭の結晶で、水に溶けやすく、常温での吸湿はあまりありません。硫酸根を含まないので、主に水稲用肥料の原料として活用されています。
成分 : アンモニア性窒素を主成分とし、市販品は25.0%以上の含有のものが多くなっています。
塩化加里(塩加)エンカカリ(エンカ)
普通肥料のひとつ。
水にとけやすい速効性の代表的な加里肥料です。加里鉱を産出するカナダ、ロシア、ドイツ、ヨルダンなどから輸入されています。
原料、製法によって灰色、淡紅色のものがあります。
成分 : 市販品は加里60%のものがほとんどです。
塩基置換容量(CEC)エンキチカンヨウリョウ
保肥力の指標であり、陽イオン交換容量ともいいます。土壌が陽イオン(塩基)を保持できる最大量を示す値のことで、土壌診断の結果として出てくる値です。
塩基置換容量が大きい程、保肥力が高いといえます。また土壌中に有機物や腐植が多いと、陽イオン置換容量は大きくなります。


か行

家畜及び家きんふんの燃焼灰カチクおよびカキンフンのネンショウバイ
特殊肥料のひとつ。
家畜や家きん(ニワトリ)のふんをボイラーで燃焼し、灰状にしたものです。りん酸や加里を豊富に含む良質の肥料です。燃焼すれば、臭気も抑えられ扱いも容易になります。                                                                            採卵鶏由来の燃焼灰では石灰分が多くなり、りん酸や加里成分が低くなってしまうので、ブロイラー由来の鶏ふん灰の方が品質も安定し肥料原料として好まれます。
過繁茂カハンモ
栄養成長ばかりが進んでいる状態のこと。
肥料、特に窒素質肥料を必要以上に与えると、栄養成長(葉、茎、枝の成長)が続き生殖成長(花、種子、果実の生産)への転換ができなくなってしまいます。この状態を過繁茂と呼びます。
加里カリ
植物が最も必要とする栄養素である、肥料三要素のひとつ。肥料では、酸化物の酸化カリウム(K2O)を加里成分としている。
加里はイオン化傾向が高く、加里塩類のほとんどのものが水に溶け、容易に作物に吸収利用されます。有機質肥料に含まれる加里は、陽イオンとして有機物の官能基とイオン結合した形なので、これも速やかに溶出し、肥効を示します。
加里が過剰だと拮抗作用により苦土欠乏を引き起こすため、施設栽培や多量の厩肥の施用には注意が必要です。

はたらき : 植物体中のでん粉、糖分、たん白質の生成を助け、体内での移動や蓄積にも関与している成分です。加里の働きには、(1)開花結実の促進 (2)日照不足時に生育を促す (3)水分の蒸散作用を調節 (4)根の発育促進などがあります。窒素に次いで植物の吸収量の多い養分です。
過りん酸石灰(過石)カリンサンセッカイ(カセキ)
普通肥料のひとつ。
りん鉱石に硫酸を作用させたりん酸質肥料で、水溶性りん酸を主成分とする速効性であり、pHは3程度と酸性です。通常、灰白色の粉末又は粒状です。
硫酸との反応により石膏を含有しており、硫酸根肥料でもあります。硫黄を多く吸収する作物では、りん酸の肥効を助長する働きがあるといわれ、りん酸欠乏土壌では特に高い施用効果が認められます。
過りん酸、過石と略す場合が多く、またSPと呼ばれることもあります。
成分 : りん酸全量17~20%、可溶性りん酸15%以上、水溶性りん酸13%以上を含む、硫酸カルシウムを約60%含有しています。
乾血及びその粉末カンケツおよびそのフンマツ
普通肥料のひとつ。
家畜と殺の際の血液を加熱、凝固させ、脱水・乾燥させた肥料です。たん白質含量が高く、窒素を10%以上含み、肥効率が高い良質な動物性有機質肥料です。
緩効性肥料カンコウセイヒリョウ
肥料効果が緩やかで持続性の高い肥料のこと。
大きく次の三種類があげられます。
(1)緩効性化学肥料(ウレアホルム、IB、CDU、石灰窒素等):化学的に縮合反応させ、緩効化させた肥料
(2)被覆肥料:粒状肥料の表面を樹脂、硫黄等の被覆原料でコーティングし、分解・溶出速度を物理的に調整した肥料
(3)有機質肥料:土壌中で微生物により無機態に分解されて作物に吸収される肥料
乾燥菌体肥料カンソウキンタイヒリョウ
普通肥料のひとつ。
①乾燥酵母や、酵母から核酸を抽出したかす、または②食品工場などの排水を活性汚泥法により処理した際に、またはグルタミン酸発酵廃液や酵母培養廃液を浄化した際に得られる菌体を、加熱乾燥したものです。肥効は油かすに似ていますが、油かす類で問題となる施肥時の有機酸発生による発芽障害性は少なく、施肥播種同時でも問題がありません。
成分 : 窒素全量5.5%以上または4.0%以上(りん酸または加里を含有する場合)を含有しています。
魚かす粉末ギョカスフンマツ
普通肥料のひとつ。
生魚を煮沸したのち、圧搾して水分及び脂肪の大部分を除き乾燥粉砕したもので、高たん白で肥効性も高く、高品質動物性有機質肥料として農家信頼性の高い肥料です。
一般に「魚かす」という場合は肉質部の多い身かすを指し、可食部をとったあとの骨が多いものは荒かすと呼ばれます。なお、粉末ではない未粉砕のものは、魚かすとして特殊肥料に指定されています。
成分のうち、特にりん酸は骨粉と同じ効果があるといわれます。
成分 : 窒素9~10%、りん酸4~6%を含んでいます。
キレートキレート
キレートとは「カニのはさみ」を意味し、栄養分となるミネラルを有機物中の官能基ではさみの様に結合する形を言います。薬剤ではEDTAが有名であり、液肥では鉄や銅などのキレート物を原料として使用しています。キレートの形になると、金属の沈殿が防止され、溶解性が高まります。
土壌中では堆肥などに含まれる腐植酸によるキレート効果で微量要素などの成分を吸収しやすくなるとともに、肥料効果が高まるといわれています。
菌体りん酸肥料キンタイリンサンヒリョウ
下水汚泥等の利用拡大に向けて設定された新しい規格で、農水省での品質認可(重金属は基準値内及び植害が認められない)がされた上で、肥料成分であるりん酸全量等を保証する、国内資源活用に寄与する肥料です。肥料登録を認可されている為、登録肥料及び指定混合肥料での原料として使用可能です。
菌体りん酸肥料を使用した肥料は、従来の肥料と同様に流通が認められています。
苦土(マグネシウム)クド(マグネシウム)
植物の必須元素のひとつで、葉緑素の核となる成分のこと。肥料では、酸化物の酸化マグネシウム(MgO)を苦土成分としています。
一般の肥料成分としてだけでなく、土壌改良資材としてpH矯正を目的に使用されることがあります。
炭酸苦土石灰:酸可溶の可溶性苦土を含有。アルカリ性であり土壌のpH矯正力を持ち、苦土の補給もできます。
硫酸マグネシウム:即効性で水溶性の苦土を含有。中性であり土壌pHを左右させないで、苦土の補給ができます。
公定規格コウテイキカク
肥料の品質の確保等に関する法律(肥料法)に基づき、普通肥料の種類ごとに農林水産大臣が定める規格のこと。
肥料の種類ごとに「含有すべき主成分の最小量(%)」、「含有を許される有害成分の最大量(%)」、「その他の制限事項」を規定してあり、肥料を登録するための最低条件になります。
高度化成肥料コウドカセイヒリョウ
通常、肥料の三要素(窒素、りん酸、加里)のうち、いずれか2種以上を含み、かつその合計成分量が30%以上の化成肥料のこと。りん酸液とアンモニアの反応を主体としたスラリー方式やりん安をベースとする粉体配合方式などで生産され、粒状品質(粒度、硬度、流動性など)も良く機械施肥適性が高いです。
米ぬかコメヌカ
特殊肥料のひとつ。
精米の際に発生する米の皮部、胚乳の一部及び胚の混合物で、20%程度の油分を含みます。
米ぬかを搾油したかすである、「米ぬか油かす及びその粉末」は普通肥料に区分されます。
脱脂前の米ぬかを生ぬかとも言い、微生物増殖の素材として良く活用され、ぼかし肥料の原料や土壌還元消毒材としても利用されます。
混合堆肥複合肥料コンゴウタイヒフクゴウヒリョウ
特殊肥料(畜ふん堆肥等)と普通肥料を混合・造粒または成型・加熱乾燥した普通肥料のこと。普通肥料である複合肥料の原料に特殊肥料である堆肥の使用が2012年より認められました。当社は2013年に混合堆肥複合肥料であるエコレットシリーズの販売を開始しました。
使用できる堆肥には、動物の排せつ物を主原料とするものは乾物として窒素全量2.0%以上かつ、窒素全量、りん酸全量、加里全量の合計が5.0%以上と制限はありますが、国内資源を利用した環境調和型肥料です。
混合有機質肥料コンゴウユウキシツヒリョウ
普通肥料のひとつ。
有機質肥料同士を混合したもの、または有機質肥料に米ぬか、発酵米ぬか、乾燥藻などを混合したもの、あるいはこれらに血液、または豆腐かすを混合し乾燥したもので、窒素全量、りん酸全量、加里全量のいずれか一以上の成分を1%以上保証するものです。


さ行

指定混合肥料シテイコンゴウヒリョウ
2020年12月1日に肥料法の改正により誕生した肥料。普通肥料に普通肥料以外の原料を配合した肥料を「指定混合肥料(普通肥料)」として生産・販売することができるようになりました。
世界的肥料価格高騰や資源供給不安といった問題に対応する為、国内肥料資源である堆肥や菌体りん酸肥料入りの指定混合肥料の積極的な利用が期待されています。
 ・普通肥料+普通肥料(指定配合肥料又は指定化成肥料)
 ・普通肥料+特殊肥料(特殊肥料等入り指定混合肥料)
 ・普通肥料+土壌改良資材、特殊肥料+土壌改良資材(土壌改良資材入り指定混合肥料)
硝酸アンモニア(硝安)ショウサンアンモニア(ショウアン)
普通肥料のひとつ。
窒素32.0~34.0%を含み、内アンモニア性窒素と硝酸性窒素が1/2ずつの生理的中性の速効性肥料です。
吸湿固結しやすいので、固結防止材が加えられているものがあります。硝酸態窒素とアンモニア態窒素の両方の性質を持ちます。ほとんどの作物は硝酸を好んで吸収するため、畑作一般や寒冷地、液肥などに広く使用されています。硝酸イオンは陰電荷を帯びた陰イオンなので、表面が陰性を帯びた土壌コロイドには反発し移動性が良く作物に利用されやすいですが溶脱性も高い点、注意が必要です。
特定条件の元で爆発性があるので、大量に取り扱うときは特に注意を要します(消防法で危険物として指定されています)。
硝酸加里(硝加)ショウサンカリ(ショウカ)
普通肥料のひとつ。
硝酸のカリウム塩のことで、溶解性が高く、肥効有効成分の高い肥料です。窒素源が全て硝酸なので、植物体への吸収・利用に優れるなどの性質を持ちます。硝酸塩の為吸湿性があり固結しやすいので、取扱には注意が必要です。火薬等の原料にもなるため消防法で危険物に指定されています。主に液肥の原料として使用されるほか、園芸作物用の複合肥料の原料としても使用されています。
成分 : 硝酸性窒素13%、水溶性加里44%
蒸製骨粉ジョウセイコップン
普通肥料のひとつ。
動物の生骨を加圧蒸製し、油分およびたん白質の一部を除去して乾燥・粉砕した良質な有機質肥料です。開花、結実を促進するりん酸を多く含みたん白質も含みますので果菜、果樹等では好んで使用されます。骨粉に含まれるりん酸は水溶性ではありませんので土壌に固定されにくく、また窒素とともにゆるやかに肥効を発現します。現在流通されている骨粉の大部分は、この蒸製骨粉です。なお未粉砕のものは「蒸製骨」として特殊肥料に指定されています。                                                                              成分:窒素3.0~4.0%、りん酸17.0~24.0%を含みます
蒸製皮革粉(皮粉)ジョウセイヒカクフン(カワコ)
普通肥料のひとつ。製革工場及び皮革加工業者より排出される皮革くずを蒸製して粉砕したもの。通常、皮粉(かわこ)と呼ばれています。動物の皮革はコラーゲンという繊維たん白で構成されている為、そのままでは分解しにくいですが加圧蒸製することにより土壌微生物により分解しやすくなります。
高たん白なのでTNは10~12.5%と高いですが、他の高たん白動物性有機質肥料と比べると肥効率ははやや低めとなります。
蒸製毛粉(フェザーミール)ジョウセイモウフン(フェザーミール)
普通肥料のひとつ。
動物の毛や羽毛を加圧蒸製して粉砕したものをいいます。窒素6.0~14.0%を含み、高窒素な有機質肥料です。フェザーミールはケラチンという繊維状たん白由来ですが肥効率は高く、当社では基肥だけでなく追肥銘柄の主原料として使用しております。蒸製毛粉は、家畜のたん白質源として飼料にも使われています。
ゼオライトゼオライト
政令指定土壌改良資材のひとつ。
土壌鉱物の一種で、アルミノけい酸塩(けい酸塩中のけい素の一部がアルミニウムに置き換わったもの)が主成分です。結晶中に陽イオンを保持することができるため保肥力が強く(CECで約150~200meq/100g)、土壌改良資材として畑や園芸用培土、鉢物用培土に混合して使用しています。
石灰(カルシウム)セッカイ(カルシウム)
肥料では、酸化物の酸化カルシウム(CaO)を石灰成分としている。アルカリ分は苦土を含めて石灰分に換算した数値(アルカリ分を参照)です。
土壌改良材としては主にpHの矯正を目的に使用される石灰質肥料(カルシウム)のことを指します。
生石灰:酸化カルシウムのことで、資材の中で最もpH矯正力(アルカリ分で90~95%)がありますが、農業用途よりも工業及び薬品としての用途が多いです。
消石灰:水酸化カルシウムのことで、pHの矯正力(アルカリ分で65~70%)は生石灰に次いであり、土壌改良資材として使われています。
炭カル:炭酸カルシウムのことで、最も一般的な石灰資材でpHの矯正力(アルカリ分で50~55%)は石灰資材の中では一番マイルドで、徐々に効果をあげることができるので、使用するには一番安全な資材です。
石膏:硫酸カルシウムのことで、中性でpH矯正力はなく硫酸根により生理的酸性肥料です。カルシウムとしての養分補給は可能です。
はたらき:ペクチン酸と結合して、植物の細胞膜の生成と強化に関係します。
(1)植物体内の害となる“有機酸”を中和し健全にする (2) 葉緑素を生成 (3)病害への抵抗力を強くする (4)硝酸態窒素の吸収を助け、苦土や加里等の吸収を調整する (5)重金属等の有害作用を軽減するなどのはたらきがあります。
石灰窒素セッカイチッソ
普通肥料のひとつ。
主成分はカルシウムシアナミドで、土壌中で分解しアンモニアとなって植物に吸収されます。
カルシウムシアナミドは分解の過程で、少量のシアナミドを生成し、これが硝酸化成を抑制するため、窒素の肥効は長続きします。 一方、石灰窒素は農薬でもあり、シアナミドは殺虫、除草効果があるため、基肥として施用し、作付けの夏場では3~5日前、春冬では7~10日前に施用して土壌に良く混和ししっかりと分解させる必要があります。
粒状のものは散布時の飛散を防げるので扱いやすい利点をもっています。黒色の粉末で独特の臭気があります。
肥料の他に農薬としての効果(殺虫、殺菌、除草)もあるので、使用の際は充分注意が必要です。
成分 : 窒素21~25%、アルカリ分50~60%を含んでいます。
草木灰ソウモクバイ
特殊肥料のひとつ。
植物を燃焼して得られる灰分で、植物由来の加里肥料です。加里3~12%、りん酸2~4%、石灰1~2%を含み、アルカリ性を呈します。燃焼条件により異なりますが、加里は水溶性の割合が多く即効性であることが一般的です。比重は軽く通常は0.2~0.3程度となり容量が大きくなります。
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側条施肥ソクジョウセヒ
施肥方法のひとつ。
肥料を苗の根の近くに施すことにより、初期の発育を活発にし、肥料の流亡を抑えます。
機械施肥によく用いられ、特に水稲で省力、施肥量低減を目的に増加しており、主流の施肥法となっています。
側条施肥機に使用できる肥料は、粒度、硬度、水分、安息角、吸湿性などの厳しい基準をクリアすることが求められていますが、当社の有機アグレット肥料は側条施肥にご使用いただけます。
速効性肥料ソッコウセイヒリョウ
いわゆる速ぎきの肥料で、土壌や葉面に施肥したとき速やかに作物に吸収利用され、肥効を現す肥料のこと。
速効性肥料の大部分は水溶性で、通常の無機質肥料(化学肥料)はほとんどこれに属します。ただし、土壌や周囲の環境要因、成分、組成、作物養分吸収チャネル等により養分の移動、吸収性は変動するので、要素欠乏発生時の対処としては要因をよく解析して対応する必要があります。


た行

堆肥タイヒ
特殊肥料のひとつ。
ワラ、モミガラなどを堆積、発酵させたものです。
家畜の糞尿など動物性のものを加えた場合は、厩肥(きゅうひ)といい、厳密には堆肥と区別しますが、両者を合わせて、堆厩肥、または単に堆肥と呼ぶこともあります。
堆肥中の有機物は土壌中で微生物の餌となり分解されて腐植となり、土壌の団粒形成を促進します。これらにより土壌の物理性(柔らかさ、保水性、通気性)、化学性(保肥力、緩衝性)、生物性(微生物等の増殖、微生物相の多様化)等の土壌環境の改善に繋がります。堆肥は単年の効果よりも累積効果が大きいので、毎年続けて施用する必要があります。
炭素率/C/N比タンソリツ/シーエヌヒ
土壌や有機物中の炭素(C)と窒素(N)の比率のこと。
有機物の腐熟の度合いを示すことにも使用され、未熟のものは高く、十分に分解が進んだものは低くなります。未熟な有機物を土壌に施用すると初期分解産物として有機酸等の発芽障害物質を生成したりします。
炭素化合物の割合の高い炭素率が30以上の有機物を施用すると、土壌中酸素が減少し還元状態となったり、微生物と植物との間で窒素の取り合いが起こり、植物が窒素飢餓を起こす可能性があるので注意が必要です。
団粒構造ダンリュウコウゾウ
土壌の単一粒子が集まって大きな粒子の集合体になっている構造のこと。
団粒は丸味を帯びており、有機物・石灰の多い表層土に見られます。堆肥等の有機物を施用することにより繁殖した微生物の菌糸や、植物の根からの分泌物などが接着剤のはたらきをして団粒構造の形成が促進されます。
団粒の発達した土壌はいわゆるふかふかの土で、孔げきが多く、保水力に優れ、空気の流通もよい、植物の生育にとって好ましいものです。強く圧すると崩れてしまうため、注意を要します。
窒素チッソ
植物が最も必要とする栄養素である、肥料三要素のひとつ。
窒素は有機物、尿素、アンモニア、硝酸などの形で土壌に施されます。施用された有機物は微生物により分解されアンモニア態窒素となり、畑地条件ではさらに亜硝酸を経て硝酸態窒素になります。
植物は低分子のアミノ酸なども吸収できますが、ほとんどはアンモニア、硝酸の形で窒素を吸収しています。畑作物では好硝酸性作物が多いです。
硝酸態窒素は、利用され易くまた低温でも吸収されやすいですが、陰イオンの為、表面が陰電荷を帯びた土壌コロイドとは反発し、土壌から流亡しやすい特徴があります。
アンモニア態窒素は陽イオンで土壌に保持され易く土壌からの流亡が少なく、硝酸態窒素に比べ吸湿性が低く扱いやすいなどの特徴があり、水稲では主体となる窒素源となります。
有機態窒素は有機物中のたん白質が分解されアミノ酸、アンモニアに分解されてから吸収されるため緩効的です。

はたらき:植物の細胞原形質の主成分であるたん白質を構成し、植物の生育にとって最も重要な要素です。(1)細胞の分裂や増殖 (2)根、茎、葉の生育を促す (3)炭酸同化作用を盛んにする などのはたらきがあります。過剰に施すと、過繁茂を引き起こします。
特殊肥料トクシュヒリョウ
肥料の品質の確保等に関する法律で、米ぬか、魚かすのような農家の経験と五感によって識別できる単純な肥料、堆肥のような低成分で品質が一定せず公定規格に該当しない肥料で農林水産大臣が指定した肥料のこと。
品質の保全及び公正な取引きの確保のため特別な措置を要しないと認められることから、都道府県知事に届け出をすれば、生産・販売できることになっています。
土壌の三相分布ドジョウのサンソウブンプ
土壌は、固相、液相、気相の三つの相から成り立っており、各相がそれぞれ占める割合のこと。
作物の良好な生長には、土壌粒子の間に、水分と空気がバランス良く分布していることが必要です。有機物を施用した土壌では微生物の菌糸などの接着効果で団粒構造が発達し、気相、液相の割合が増えてきます。また、堆肥やピートモスなども通気性や保水力を物理的に高め、良好な三相分布の形成に寄与しています。
土壌微生物ドジョウビセイブツ
土壌中に生息する微生物の総称のこと。
放線菌、糸状菌、原生動物、線虫類などが含まれます。
窒素成分をアンモニア態あるいは硝酸態などの植物が利用できる形に変換するなどのはたらきを持っています。また有機物分解により腐植や団粒構造を作り、土壌環境を整える上でも重要な役目をしています。


な行

流し込み施肥ナガシコミセヒ
水田の水口から灌漑水と一緒に液体肥料や専用の固体肥料を流し込む追肥方法のこと。
その年の気象や水稲の生育状態に応じて施肥することができ、機械を使うことなく作業できるため、省力・低コスト施肥技術として利用されています。
なたね油かす及びその粉末ナタネアブラカスおよびそのフンマツ
普通肥料のひとつ。
なたねの種子から油をとったかすで、良質な有機質肥料です。
搾油の方法には圧搾法や圧搾した油粕をさらに溶媒抽出する方法、それらを併用する圧抽法があります。圧搾のみの油粕は油分残量が10%以上と高く土壌微生物による分解性もゆっくりとなり、作物の吸肥特性に合わせ施用されます。現在流通している主体が圧抽品となり圧搾品より分解性は速くなります。特にお茶やタバコの栽培で好んで用いられます。
成分 : 窒素4.5%、りん酸1.9%、加里1.0%以上
肉かす及び肉かす粉末ニクカスおよびニクカスフンマツ
普通肥料のひとつ。
食品工業、精肉店、と殺場などから出る、くず肉、皮、脂肪を集めて乾燥し、粉砕したものをいいます。なお、未粉砕のものは、肉かすとして特殊肥料に指定されています。
成分:窒素8.0~10.0%を含有しますが、りん酸はあまり含まれません。
肉骨粉ニクコップン
普通肥料のひとつ。
と殺場、食品工場から廃出する肉片、骨類を蒸熱、圧搾して油分を採り粉砕したもの、または肉かす粉末と骨粉を混合したものをいいます。
開花、結実に有効な良質なりん酸を含むので大粒の肉骨粉は果樹、果菜向けの配合肥料向けに良く使用されます。
尿素ニョウソ
普通肥料のひとつ。
窒素約46.0%を含み、窒素質肥料中最も窒素含有量が高いものです。
白色、無臭の結晶で水に溶けやすく、強い吸湿性を有します。中性肥料で、土壌中で微生物により分解されアンモニアと炭酸となり、その後硝酸化成を受け硝酸態窒素となります。トンネルやマルチ栽培では高温により急激な分解が起こりガス障害となることがあるので、注意が必要です。
溶解度が高いので、液肥として葉面散布材等に使用されており、葉面吸収性が速い窒素質肥料であるといった特徴があります。また硫酸根を含まないので無硫酸根複合肥料の原料としても使用されます。
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は行

バーク(樹皮)堆肥バーク(ジュヒ)タイヒ
樹皮に家畜ふんなどを混合し、堆積、発酵させた堆肥です。
政令指定土壌改良資材であるとともに、特殊肥料の堆肥に属します。樹皮は草本性の植物に比べ腐熟しにくいため、充分発酵させてから施用するよう注意が必要です。空隙があり、保水性も高いので土壌物理性改善効果が高いです。
pHピーエッチ
酸度(水素イオン濃度)のこと。
水素イオンの濃度が高いほど酸性、低いほどアルカリ性になります。pH7(中性)を境に、数値が小さくなる程強酸性、数値が大きくなる程強アルカリ性といいます。
硫酸や硝酸などは酸性を呈し、カルシウムやマグネシウムなどはアルカリ性を呈します。土壌や植物の適正pHは弱酸性~中性なので、極端な酸性やアルカリ性にならないよう、土壌診断等を活用してください。
ピートモスピートモス
水苔が土壌中に堆積、泥炭化したもののこと。
保水性・通気性・保肥力に富むので、土壌の物理化学性改善のため畑に混入したり、軽量で扱い易いことから単独もしくは他の資材と混合して園芸用培土や鉢物用培土として利用します。
強酸性のため、未調整のものはあらかじめ消石灰などでpH調整をしてから使用するようにします。
また、完全に乾燥させてしまうと後から水をやってもはじいてしまう性質を持っているため、乾燥には注意を要します。
微生物資材ビセイブツシザイ
微生物を含有し、微生物の機能を利用して作物の生育や土壌環境の改善・向上を目的として使用される土壌改良資材のこと。
「土壌などに施用された場合に、表示された特定含有微生物の活性により、用途に記載された効果をもたらし、最終的に植物栽培に資する効果を示す資材」と定義されています。(微生物を利用した農業資材の現状と将来, 1996, 日本土壌肥料学会公開シンポジウム)
政令指定を受けている「VA菌根菌」の他、堆肥化の促進、土壌団粒形成、窒素固定、りん酸の可溶化、土壌病害虫の軽減、植物ホルモン、ビタミンの生成など各種の効果があるとされる資材が数多く市販されています。
肥料の三要素ヒリョウのサンヨウソ
窒素、りん酸、加里を肥料の三要素といいます。肥料中の三大要素の成分は窒素はN、りん酸はP2O5、加里はK2Oに換算され表示されています。
窒素、りん酸、加里は、植物の必須元素であり三大栄養素と言われ、ほとんどの植物で吸収量が多く、この内どれかひとつが欠けると植物の生育は著しく劣ります。そのため、肥料はこの三要素を中心に成分の構成がなされています。
肥料の品質の確保等に関する法律ヒリョウのヒンシツのカクホトウにカンスルホウリツ
2020年12月1日にこれまでの肥料取締法が改正・施工された法律のこと。
「指定混合肥料制度」等の創設により、堆肥などの「特殊肥料」と化学肥料などの「普通肥料」、「普通肥料、又は特殊肥料」と「土壌改良資材」を配合した肥料(造粒等をしたものを含む)について、新たな届出での生産が可能になりました。
登録された肥料同士を配合する肥料について、「水」造粒を行う指定配合肥料以外にも、「りん酸液」や「硫酸」などにより造粒する肥料(現行の化成肥料)についても「指定化成肥料」として届出により生産が可能となりました。
微量要素ビリョウヨウソ
植物必須元素で、要求量は少ないが、吸収量が極度に少なくなると、その欠乏症におかされる成分で、マンガン、ほう素、銅、鉄、塩素、亜鉛、モリブデン、ニッケルのこと。
しかしこれらの成分は、ある量を越すと、逆に植物に害を与えてしまいます。
微量要素の欠乏症が生じたときは、葉面散布でも対応可能な場合が多くあります。
副産植物質肥料フクサンショクブツシツヒリョウ
普通肥料のひとつ。
令和3年の公定規格改定以前の規格で、現在は副産動植物質肥料に統合されています。
食品工業、または発酵工業において副産物として出てくるもので、植物由来であるもの。
副産動物質肥料フクサンドウブツシツヒリョウ
普通肥料のひとつ。
令和3年の公定規格改定以前の規格で、現在は副産動植物質肥料に統合されています。
食品工業、繊維工業、ゼラチン工業、なめし皮製造業で副産物として出てくるもの、他に水産加工業などの排水中に含まれるたん白質などを分離、乾燥したものを含みます。
腐植酸フショクサン
土壌に含まれる腐植物質の中で堆肥のエッセンスと言われる黒褐色の酸性物質のこと。土壌腐植をアルカリ可溶、酸不溶物質として分画して得られます。
土壌有機物の代表で、その形は無定形のものから中高分子の化合物までと幅広く、炭素50~60%、水素3~6%、窒素1.5~6%で、残りはほとんど酸素で占められています。
イオンと結合する多くの官能基を持つので、主に土壌改良資材として保肥力(養分が流れないように掴まえておく力、または量)を高めたりpH変動など化学的変化を抑制する緩衝能があります。またホルモン的に根を刺激し発根促進する効果もあります。
人工的には、石炭化の進んだ“亜炭”や“褐炭”等を硝酸で分解し、石灰や苦土を加え、中和して作られたものがありますが、これは腐植酸ではなく腐植酸質資材と呼びます。
腐植酸苦土肥料フショクサンクドヒリョウ
普通肥料のひとつ。
石炭又は亜炭を硝酸で分解し得られたニトロフミン酸に、水酸化マグネシウム等の塩基性のマグネシウム含有物を加えた肥料で、く溶性苦土3.0~10.0%、水溶性苦土1.0~3.0%、腐植酸60.0%以上を含みます。
腐植酸系肥料の腐植酸は、土壌の理化学性の改良やキレート効果が期待されるといわれています。
普通化成肥料フツウカセイヒリョウ
窒素、りん酸、加里の3成分の合計量が30%未満の化成肥料のこと。
高度化成肥料に対し、低度化成肥料ともいいます。有機質を原料として添加した化成肥料もおおむね普通化成肥料に入ります。
普通肥料フツウヒリョウ
農林水産大臣が指定した特殊肥料以外の肥料すべてのこと。
普通肥料は、窒素、りん酸、加里などの主成分量によって評価される性格の肥料で、公定規格が定められ、この規格に基づいて登録を受けなければならないこととなっています(ただし、指定配合肥料にあってはこの限りでない)。
また、保証成分量や正味重量を記載した保証票の添付等が義務づけられています。化学肥料など、主要な肥料がこの普通肥料に該当します。
ほう素ホウソ
微量必須元素のひとつ。肥料法では、酸化物のB2O3で成分を表示します。
植物の細胞内で、ペクチンの架橋構造を安定させる役割があります。
アブラナ科などの作物ではほう素欠乏症が発生しやすいため、ほう素入りの肥料の使用をおすすめします。
穂肥ホゴエ
水稲の栽培において、出穂前に施用する肥料のこと。品種や環境、生育状況により適性施肥時期は異なります。
ひとつの穂につく実の数を多くし、無効分けつを減少させ、止め葉(穂が出る前に展開する最後の葉)の生長を良くする、捻実を良くするなどの効果により収量性を向上させます。


ま行

マンガンマンガン
微量必須元素のひとつ。肥料法により肥料成分は酸化物のMnOとして表示します。
光合成や、葉緑素の生合成に関与しています。植物の微量必須元素の要求量は少ないですが、欠乏症予防のためにも微量要素入りの肥料をおすすめします。
無機化ムキカ
有機態の窒素が、微生物などにより無機態のアンモニアや硝酸に分解生成されること。
植物は無機態になった窒素を吸収して利用します。無機化には有機態窒素がアンモニアに分解されるアンモニア化成と、アンモニアが亜硝酸を経て硝酸に変化する硝酸化成があります。
アンモニアから亜硝酸への変化には亜硝酸菌(ニトロソモナス)、亜硝酸から硝酸への変化には硝酸菌(ニトロバクター)が関与しています。
無機質肥料ムキシツヒリョウ
有機質肥料に対して用いられる肥料の名称。
化学肥料ともいいます。化学合成により製造され、水や弱い酸(植物の根から分泌される酸)に溶けて作物に吸収利用されます。
硫安、尿素、りん安、塩加、硫加を原料とした無機質肥料は一般に速効性なので、植物にすぐ養分を供給したい時に高い効果が得られます。欠点として、畑では降雨などにより養分が流れ易いこと、間違って大量に施すと植物に害を及ぼしやすい事などが挙げられます。
無効分けつ(無効分げつ)ムコウブンケツ(ムコウブンゲツ)
分けつ(分げつ)して茎となっても結実しない分げつのこと。
稲は分けつ(分げつ)(茎の本数の増加)しながら生育しますが、分けつが多すぎると実がつかない茎が多くなってしまいます。


や行

有機質肥料ユウキシツヒリョウ
肥料の品質の確保等に関する法律における、魚粉類、骨粉類、草木性植物油かす類等の動植物質の普通肥料のこと。
代表的なもので、なたね油かす及びその粉末、蒸製骨粉、魚かす粉末があります。
土壌中で微生物により分解し、無機態になってから植物に利用されるため、肥効は一般に緩効性です。また、窒素、りん酸、加里以外の微量要素を含有する他、土壌の化学的、物理的な改善にも貢献します。成分などに関しては公定規格が定められています。一般には堆肥や厩肥のような土壌改良が主目的の粗大有機物も広義に有機質肥料に含めることもあります。
有効態りん酸ユウコウタイリンサン
土壌分析で、作物が利用可能なりん酸の量を表し、可給態りん酸ともいいます。
100g乾土当たりのりん酸(P2O5)mg重量で表されます。日本の土壌は酸性の火山灰土壌が多く、酸性土壌では鉄、アルミナが溶出し土壌中のりん酸と強く結合し難溶化してしまうので、一定の条件で溶出してくるりん酸を作物が利用可能なりん酸として表します。溶出方式としては各種あり、火山灰土壌の多い日本では薄い硫酸液(0.002N硫酸)で浸出してくるりん酸を測定するトルオーグ法が用いられます。
国内土壌の有効態りん酸はかっては10mgP2O5/100gDSが土壌改良目標値でしたが、りん酸資材の投入過剰により、特に施設園芸栽培では数百まで蓄積している土壌も出るなど、近年りん酸の過剰な土壌蓄積による弊害が問題となっています。
熔成りん肥(ようりん)ヨウセイリンピ(ヨウリン)
普通肥料のひとつ。
りん鉱石に蛇紋岩等の苦土含有鉱物を混合し、1,350~1,500℃で熔融したのち、高圧の冷水を接触させて急冷・水砕したものです。
原料の種類により緑色、黒褐色、灰色を呈します。ガラス状の針状粉末で手にささりやすいため、扱いやすくするために粒状、球状に加工したものがあります。主成分はりん酸、苦土、石灰、けい酸の塩基性肥料で、特に含まれるりん酸はく溶性のため土壌に吸着されにくく、流亡も少ないです。
成分:く溶性りん酸17~26%、く溶性苦土15~18%、可溶性けい酸20~27%、アルカリ分40%以上を含有します。
BM熔りんでは、この他にく溶性マンガン1.0~5.0%、く溶性ほう素0.5~1.5%を含有します。


ら行

硫酸アンモニア(硫安)リュウサンアンモニア(リュウアン)
普通肥料のひとつ。
代表的な窒素肥料で、通常、硫安と呼ばれます。一般には白色の斜法晶系の結晶でアンモニア性窒素20.5~21.0%を含み、水に溶けやすい速効性肥料です。硫酸根を持つので酸性土壌、秋落ち水田に対しては、硫安でなく塩安を使用するのが適しています。畑作に対しては、作物を問わず優れた肥効を示します。
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硫酸加里(硫加)リュウサンカリ(リュウカ)
普通肥料のひとつ。
硫酸のカリウム塩で硫加と称します。白色又は淡黄色の結晶で吸湿性はほとんどありません。
水溶性加里45~52.5%を含有しています。
硫酸加里に含まれる硫黄は必須元素なので、硫黄要求性の比較的高い畑作用の肥料の原料によく使用されています。
多肥になりやすく養分過剰による塩類集積傾向となっている施設栽培では、塩化加里より硫酸加里の方が塩害がでにくく適しています。
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粒状配合肥料(BB肥料)リュウジョウハイゴウヒリョウ(ビービ―ヒリョウ)
粒状の普通肥料、または粒状の届出肥料同士を物理的に混合して製造した肥料のこと。普通肥料同士を混合したBB肥料は指定配合肥料として、届出肥料を含むBB肥料は指定混合肥料として届出されています。
一般的な普通肥料(尿素、硫安、りん安、塩加)と被覆尿素や混合堆肥複合肥料、指定混合肥料などの特徴的な肥料を混ぜ合わせることで、多種多様な肥料を製造、販売することができています。
りん酸リンサン
植物が最も必要とする栄養素である、肥料三要素のひとつ。肥料法では5酸化2燐(P2O5)の形で成分表示されます。
植物が利用可能な可溶性りん酸には有機質の形、弱い酸に溶ける形(く溶性)、水に溶ける形(水溶性)などがありますが、植物に吸収されるには、溶解してイオンの形になる必要があります。く溶性りん酸は植物の根から分泌される有機酸によって溶解することによりイオン化します。

はたらき:植物の光合成や呼吸作用に関与しています。また、核酸、酵素の構成要素です。
(1)成長促進(根、茎、葉の数を増やす) (2)根の伸長、発芽力を盛んにする (3)品質を良くする(花や実の数を多くする、実入りを良くする)などのはたらきがあります。
りん酸アンモニア(りん安)リンサンアンモニア(リンアン)
普通肥料のひとつ。
りん酸のアンモニウムによる中和化合物で、りん酸一アンモニア(MAP、Monoammonium Phosphate)、りん酸二アンモニア(DAP、Diammoium Phosphate)があります。また、水によく溶け、特にDAPは高度化成肥料やBB肥料の主要な原料として広く利用されます。代表的な成分として、りん酸一アンモニアではアンモニア性窒素10.0%、可溶性りん酸51.0%のものがあり、りん酸二アンモニアではアンモニア性窒素18.0%、可溶性りん酸46.0%のものがあります。
りん酸の固定リンサンのコテイ
水溶性のりん酸が土壌に固定され、難溶性となる現象のこと。
りん酸の固定には鉄、アルミニウム、カルシウムとの化合による沈殿形成、土壌粒子表面における水酸基・けい酸イオンとの交換による吸収などがあります。日本の代表的火山灰土壌である酸性の黒ボク土ではりん酸を固定する力が強いため、く溶性りん酸を含む熔りんを施用したり、固定したりん酸を遊離させる力がある腐植酸入りの資材の施用をおすすめします。


わ行

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